なぜ、和伝整体は修得が簡単なのか?
この理由は整体の元の技法となる整復技術の歴史と技術体系にあります。
もともとは関節脱臼などに用いられていた整復の技。
例えば肩関節の脱臼整復をするとしましょう。
テクニック系の技法なら、いまでも「コッヘル法」という術者の技術で整復する手技が主流です。
それに対して、
自然効能系の技法では、腕を吊り下げて置いたり、ベッドの端から腕をぶら下げて置いたりして、自然の重力で、自然に整復位置に戻るのを待つのです。
もちろん、それにはそうした方がいい理由もあります。
あまりに筋肉の緊張が強すぎてテクニックでは整復できない場合、そうした自然回復を待った方が早い場合もあるからです。
また、術者のテクニックが未熟な場合、無理に整復するより、自然回復を待った方が良いという場合もあるでしょう。
そういった理由から自然効能系の技法も現代まで伝承されているのです。
そして、この自然効能系技法は修得が容易で、即日マスターできるという特徴ももっています。
ただ、実際の手技では吊り下げて置くだけ、なんてことはありません。
術者が少しでも早く回復するようにある程度の手技は施します。
でも、それも非常にソフトで緩やかな手技です。
テクニック系に対して、過誤がほとんど発生しませんから、未熟な術者でも安心して使えます。